書籍

あくむ

あくむ。井上夢人。 岡嶋二人からソロになって初めての単行本?らしいのですが古くてわからず。 タイトル通りなんとも後味の悪い悪夢な短編が4つ入っていました。怖さはそんなにないけど、読み終わったあと考えているとじわじわ恐怖感が増してくる作品。 井…

化合 大誘拐

化合、今野敏。 STを作るきっかけになった事件という話だったのですが、特にそんな感じではない(最後に三枝さんがちょっと言及していいるけど)です。普通の殺人事件の捜査って感じ。いまは頼りになるベテラン刑事の菊川さんに若い頃もあったんだな、とか、…

過去よさらば わたしを離さないで

過去よさらば、ペンッティ・キルスティラ。フィンランドのミステリです。 ハンヒヴァーラ警部シリーズと云うのがあるらしいのですが、この他に日本で読めるものはない模様。 ハンヒヴァーラ警部の警察署の自室に訪ねてきた見知らぬ男がショットガンで自殺す…

火刑法廷

火刑法廷、ジョン ・ディクスン・カー。新訳版、加賀山卓朗。 昔読んだことがあるのですが、内容はほぼ思い出せません(^^)。なので新訳を選んでみました。 これが1937年に書かれた本だと思えないですよね。古さはそんなに感じません。話は結局マーク…

女の由来

女の由来、エレン・モーガン。 迷惑な進化の中に出てきた本です。人類アクア誕生説は従来のサバンナ誕生説に比べるととても説得力がありました。霊長類の中で人間だけにある特徴、体毛が薄いのは何故か、頭髪だけが長く伸びるのは、鼻が下向きなのは、 女性…

邪馬台国はなかった

「邪馬台国」はなかった、解読された倭人伝の謎。古田武彦。 邪馬台国の地が近畿説にしろ九州説にしろどうもぴんと来ない感じだったのですが、今まで読んだもののなかでは最も納得できる説でした。昭和46年発行の本。 原文の三国志魏志倭人伝をなんの改訂…

ここのところの既読書

北欧神話と伝説 ウィルヘルム・グレンベック前半の神話部分が読みたかったのですが、後半の伝説部分の家族親族で殺し合う殺伐とした内容に正直気分が悪くなり‥。バイキングに出かけ、と云うのも要するに人の物を奪いに行くんだよなあ、と考えていました。北…

瞬間移動死体

瞬間移動死体、西澤保彦。7月に読んでいたのですが、なんだか忙しかったから書き忘れたみたい(>_テレポート能力と言うミステリに禁じ手のような超能力を使っておきながら、結局何の役にも立っていない上に、読んでいるうちにその特殊技能が当たり前に感じて…

黄昏に佇む君は

黄昏に佇む君は、篠田真由美。 建築探偵桜井京介シリーズの脇役W大の教授神代宗の若かりしころの話。下町の煎餅屋で生まれ育った腕白坊主が、何故畑違いの西洋美術、しかも16世紀のヴェネチア派の研究者になるに至ったのか。 パリに留学している若い画家の挿…

ローマ神話 西欧文化の源流から

ローマ神話 西欧文化の源流から、丹羽隆子。 トロイア戦争で敗北したアエネアスが苦難の旅路の末に神々に約束された西の地イタリアにたどり着き、エトルリア人の王と王女を妻にもらう約束をするのですが、王女の婚約者がそれを気に入らず、戦いになります。…

贋作「坊っちゃん」殺人事件

贋作「坊っちゃん」殺人事件、柳広司。 坊っちゃんが松山を去ってから3年、赤シャツの自殺を聞かされた坊っちゃんは山嵐とともにまたかの地を訪れる。うらなりの行方はわからず、野だ公は精神を病んで病院に入っていた。真相に迫るうち思いもよらなかった田…

宝島の惨劇 朝の雪と降りつもれ

宝島の惨劇、吉村達也。推理作家朝比奈耕作シリーズ。 民族学者の冠鳥一二三が残した日記の吐喝喇列島の宝島に海賊キッドの宝があると言う記述を妻の馨が発見する。甥の太郎はそれを平家の宝だと主張し、一族総出で探検にむかうのだが。 と言う話なのですが…

アイアン・ハウス

アイアン・ハウス、ジョン・ハート。 アイアンマウンテンにある元病院の孤児院で幼少期を過ごした兄弟の物語。兄は組織の殺し屋になり、弟は上院議員の養子で児童書作家になっている。兄マイケルがエレナと云う愛する女性との平凡な暮らしを望み、組織を抜け…

トーキョー・プリズン

トーキョー・プリズン、柳公司。 本当はジョーカーシリーズに興味を持ったのですが、予約がいっぱいだったので取りあえず気が合うかを試しに借りてみました。戦後すぐのスガモプリズンにニュージーランド人の私立探偵フェアフィールドがやっていくる。彼の目…

銀閣寺の惨劇

金閣寺の惨劇と対になっている銀閣寺の惨劇。吉村達也。感想はめちゃめちゃネタバレです! 2冊読むと 1.終わったはずの巻の真犯人が変わっている 2.背筋の寒くなるような怨念の構図が現れる それに加えて大きな人間ドラマが見えてくる、とあとがきにある…

最後の惨劇 金閣寺の惨劇 小樽 古代文字」の殺人

最後の惨劇、推理作家朝比奈耕作シリーズ、惨劇の村5部作最終巻、吉村達也。 私はてっきり月影村の惨劇の続きだと思っていたら、あの話はあのままで終了していました。幸子は自殺だったんですかね?? 尾車教授に対する感触はまあ、だいたい想像した通りか…

金沢W坂の殺人

金沢W坂の殺人、吉村達也。 サイコセラピスト氷室想介シリーズ6。 金沢のW坂で四人の大学生がそれぞれ違う方法で同時に殺される、四重殺と呼ばれる事件が発生。警視庁捜査一課の田丸警部の友人草川警部が石川県警にいたことから、氷室に捜査のヒントをもら…

風吹村の惨劇 月影村の惨劇

風吹村の惨劇、惨劇の村シリーズ3、吉村達也。 なんだかんだ文句を言いつつ続きを読んでいます(^-^;)。 諏訪大社の御柱祭の日に大田区で殺人事件が起きる。信州の蛙原(げえろっぱら)通称風吹村で新たな事件が。これも朝比奈父の書き残した「花咲、鳥啼、…

飛天のごとく 下

飛天のごとく、下巻、宮乃崎桜子。 藤原頼長が女だったと言う話の後編。 孤立していく様子とか理解者だった妻の幸子、姉の高陽院泰子さま、近衛帝が次々と亡くなって、戦に巻き込まれていくのが悲しい。 でも終わりは想像した通り(^^;)で結構幸せ。満足です…

花咲村の惨劇 鳥啼村の惨劇 御殿山の殺人

花咲村の惨劇、吉村達也。推理作家朝比奈耕作シリーズ4。「惨劇の村シリーズ」と言うらしい。 朝比奈の自殺した父親は郷土史家で、夢の中に出てきて「花鳥風月、花鳥風月」と囁くようになる。朝比奈は予知夢ではないかと父の親友だった犯罪心理研究の尾車教…

飛天のごとく上巻

飛天のごとく、上巻、宮乃崎桜子。 藤原頼長が女だったという設定の話です。母親は生まれる子供が女児だったら引き取ると言われ(将来入内させる姫を手元で教育するため)、子供を手放したくないあまりに性別を男と偽る、と言う話。貴族にとって美しい女児は出…

五重殺+5 「伊豆の瞳」殺人事件 六麓荘の殺人

五重殺+5、吉村達也。サイコセラピスト氷室想介シリーズ2。シンデレラの五重殺と改題されています。 シンデレラ計画と名付けられた新人アイドルのオーディションに勝ち残った少女が自室で殺される。一人の人間が5つの方法によって同時に殺害されると言う…

そして扉が閉ざされた サヴァイヴ

そして扉が閉ざされた、岡嶋二人。 岡嶋さんを読んでいた時に時間切れで返却した本を再読。 核シェルター(らしき場所)に閉じ込められた男女4人が、4ヶ月前に事故死した友人の死の真相に迫って行く。 さすが岡嶋さん、めちゃめちゃ面白かったです。現在と4…

表参道十年 ヴィーナスシティ

図書館予約が上手く回らなくて家にあった本を二冊読みました。 表参道十年、小泉タエ。慶應義塾の学長小泉信三の娘で俳人の小泉タエさんのエッセイ。昭和46年からの十年間の話で、まだまだ表参道も田舎の風情です。子供時代の思い出も時々出てきて、戦前の知…

編集長連続殺人13日目の惨劇 スターダスト殺人物語

編集長連続殺人 13日目の惨劇、吉村達也。 サイコセラピスト氷室想介シリーズの1。初登場っぽい演出はないので続き物の途中みたいな始まりです。週間Aと言う雑誌の編集長が就任13日目に立て続けに事故に遭う。連続殺人を匂わせるような手紙も届いて、…

ほくと五稜郭殺人事件 トリック狂殺人事件 波濤の牙

ほくと五稜郭殺人事件、中津文彦。さすらい署長風間昭平と云うシリーズ。 署長が謎を解くのは初めて読みました。事件そのものよりも幕末に榎本たちが箱館に持ち込んだ幕府の18万両が函館湾に沈められていると云う伝説をもとに詐欺師が登場するところが面白…

アルファベット荘事件

北山猛邦。アルファベットのオブジェが置かれている山荘が雪に閉ざされるクローズドサークルもの。語り手は劇団に所属する女優です。 話はそれなりに面白かったですが、問題は探偵が記憶がない謎の男なことですね。ディと呼ばれていて、不可能犯罪専門の探偵…

土方歳三の鬼謀

柘植久慶。角川 ハルキ文庫 。「もし土方さんが勝っていたら?」と云う話なのですが、1〜3巻まであって1巻が「鳥羽伏見」2巻が「会津」3巻が「箱館」です。でも読んでいてあれ? と思ったのですがそれぞれ繋がってません。独立した話なんですよね、最初…

昔読んだ本を移動します

新選組関連は別のサイトに書いていたのですが、閉鎖するのでまとめて移動します。読んだのは2005年〜2007年くらいかな。移してみたら意外と冊数あった(^-^;)。 アプリから見たら日付の変更ができていなくて全部29日になってた。

新選組風雲録 激斗編

広瀬仁紀。大陸書房。 副長の馬丁忠助が主人公の第二弾。禁門の変から武田観柳斎暗殺までのお話です。伊東が入隊したのは新選組を丸ごと乗っ取るためで、山南さんの脱走も伊東の策略だと云う説になっています。完全に悪者ですね。広瀬さんの小説はいつもそう…