ローマ神話 西欧文化の源流から

ローマ神話 西欧文化の源流から、丹羽隆子。
トロイア戦争で敗北したアエネアスが苦難の旅路の末に神々に約束された西の地イタリアにたどり着き、エトルリア人の王と王女を妻にもらう約束をするのですが、王女の婚約者がそれを気に入らず、戦いになります。アエネアスは勝利しローマの丘に新たな国を建国。そこまでが一部。
私今までローマの始まりがトロイだって知らなかった(´Д`)結構吃驚した。←無知ですね。いや、イタリアにはその時すでに遥かに高度な文明都市を築いていたエトルリアの小国家たちや、サビニ族など他にもたくさん住んでいたんです。ローマ(まだローマという名前じゃないですが)は新しい国だったので、人口を殖やす目的で外国から積極的に移民を受け入れていたので、多民族国家であったことは確かですね。アエネアスの妻も集団略奪したサビニ族の人だし‥。トロイ人だけってことはないのですが。
最初の方はギリシャ神話がかなり絡んでくるので(名前の表記はラテン語ですが)ギリシャ神話の知識があった方がスムーズに読めると思う。ちなみに建国の英雄アエネアスの母はウェヌス(アフロディーテ)。
次の章はその13代あと兄王と弟が争い、弟が勝ちました。王子達は始末したのですが、姪のレア・シルウィアはウェスタ(聖火)の巫女にしてしまいます。巫女は最高の尊敬を受け良家の子女しかなれず、当時の女性がつける唯一の仕事だったためレアは喜んで巫女の修行に励みました。でも任期が30年でその間厳しい掟があるので、王としては厄介払いのつもりだった。しかしレアが成長して乙女になった時、軍神マルスに見初められて身籠り、双子の男児を生むのですが、戒律を破ったかどで双子は籠にいれてティべリス川に流され、彼女は地下牢に幽閉されました。その双子は雌狼に拾われ育てられ、やがて森の番人夫婦(森の神そのものと思われる)に拾われて強く賢い兄弟にそだちます。この双子がローマ帝国の礎を作ったロムルスとレムスです。
以下は略w
面白かったけど、ギリシャ神話とギリシャ悲劇の知識がなかったらいちいち註釈を読んで調べたりしないと理解できないかもしれない。流れはどうでもよくて、ただ物語として読むなら問題ないですが。

ギリシャ神話の神たちのフリーダムさにはいつ読んでも呆れる(^-^;。
アポロは求婚して振られる回数が多い気もする。
ちなみにゼウスはユピテル、ヘラはユノ、アフロディテウェヌス、エロスはクピド、などラテン語表記の神の方が優しそうな雰囲気だと思います。