女の由来

女の由来、エレン・モーガン。
迷惑な進化の中に出てきた本です。

人類アクア誕生説は従来のサバンナ誕生説に比べるととても説得力がありました。霊長類の中で人間だけにある特徴、体毛が薄いのは何故か、頭髪だけが長く伸びるのは、鼻が下向きなのは、 女性の乳房が半球状なのは、出産が一人で出来ないほど大変なのは、等々。サバンナ説では説明不可能な事実が水棲説ではすべて説明可能です。特に手の親指と人差し指の間に今なお残る水かきの膜が、アクア説の正しさを証明していると思います。アフリカをジャングルから乾燥地帯に変えた1200万年もの時を、人類の祖先は水辺に暮らしたのかもしれない。ミッシングリンクと言われる原人からホモサピエンスへの進化の過程の骨が出土しないのは、海中にあるからなのかもしれないですね。ジュゴンやマナティー達は私達と同じ祖先を持つものかも。さすがにイルカやクジラとは違い過ぎますが。サバンナで誕生したとすると、わざわざ四足歩行よりも格段に遅い二足歩行になったのはなぜか、一番不可解なのはやはり出産ですね。妊娠期間に既にかなり危ない(足が遅くなる)し、何時間も産むのにかかってしかも赤ん坊は1年も立ち上がらない。肉食獣の餌になって欲しいと言わんばかりの状態です。それが水の中で行われたとしたら、浅瀬には外敵もいないし、助けがなくても出産ができ、子供の顔もすぐ綺麗にできて、なんの不都合もありませんね。
アクア説以外の部分は1972年当時に男性学者の手で進化論が進められていることへの反論が多いです。現代ではどうなんだろう?
面白かったです。