ほくと五稜郭殺人事件 トリック狂殺人事件 波濤の牙

ほくと五稜郭殺人事件、中津文彦。さすらい署長風間昭平と云うシリーズ。
署長が謎を解くのは初めて読みました。事件そのものよりも幕末に榎本たちが箱館に持ち込んだ幕府の18万両が函館湾に沈められていると云う伝説をもとに詐欺師が登場するところが面白いです。埋蔵金話はわくわくするものがあるな、土方さんを凄く良く書いてあるのもうれしいですねー。
被害者の市橋隆明は良くない人格の人間として描かれているんですが、彼の境遇を考えると可哀想な気がするな。母親が病気で入院していて寂しいところに、母の死後父親が浮気してしかもその相手が母が入院していた病院の看護婦で、子供までいるので、浮気相手や父親を良く思えないのは当然のような気がする。話は浮気相手の方から書かれているので、隆明が悪い奴に描かれているのですが。と云うか酷い奴なんですが・・・。
函館はまあまあ土地鑑があるので読んでいて楽しいです。

トリック狂殺人事件、吉村達也。
警視庁捜査一課のアイドル烏丸ひろみ刑事に100万円の現金と共にうそつき荘で行われる賞金6億円のクイズ大会の立ち会い人を願う手紙が。ひろみは好奇心からその大会に参加するのだが。
うそつき荘と云う名前がどうにもダサいですねえ。これは建物自体がジャッキで上げ下げでき、雪に閉じこめられる等状況的にではなく、物理的にクローズドサークルを作り上げてしまうと言う無茶な建物。そこに6人のうそつきが招かれるのですが、犯人が第一の殺人でわかってしまうのが困りもの。ひろみの為人もあまり好きじゃない感じで、シリーズがあるらしいのですがもう読まないかも。サイコセラピスト氷室の方は読んでみます。

波濤の牙、今野敏
海保の特殊救難隊が漁船同士の衝突で当て逃げした船からの救助要請を受ける。偽装北朝鮮船の人命救助を行うが彼らがシージャックをしてきて。と言う話。スリリングでなかなか面白かったです。隊長の惣領の彼女紗恵子が別の人のプロポーズで結婚を迷う話は必要なのか? 私はいらないけど、男性には面白く感じるんですかねえ。ストーリーは面白いです。海保のみなさんは日夜本当にお疲れさまです。