火刑法廷

火刑法廷、ジョン ・ディクスン・カー。新訳版、加賀山卓朗。
昔読んだことがあるのですが、内容はほぼ思い出せません(^^)。なので新訳を選んでみました。
これが1937年に書かれた本だと思えないですよね。古さはそんなに感じません。

話は結局マークがどこかへ行ってしまったきりだし、エピローグで推理小説なのかファンタジーなのかごっちゃになっていて、そんなに名作とも思えないのですが。解説の人はそのエピローグがこの話を名作にしていると語っていますが、わたしはない方が好きだな。
テッドの妻マリーに対する疑念が晴れただけで、事件事態は解決していないと思うんですよね。
そのマリーの話にしても、クロスと彼女が語っただけで何ら根拠のない話なんですけど。マイルズ殺しのクロスの謎解きもだけど、物的証拠が出てこないので現代推理小説を読みなれている身としてはもの足りない。でも面白いですけどね。
マリーとクロスは、ブランヴィリエ侯爵夫人とその愛人ゴーダン・クロスの生まれ変わり「だと信じている」普通の人だと思う。