アルファベット荘事件

北山猛邦。アルファベットのオブジェが置かれている山荘が雪に閉ざされるクローズドサークルもの。語り手は劇団に所属する女優です。
話はそれなりに面白かったですが、問題は探偵が記憶がない謎の男なことですね。ディと呼ばれていて、不可能犯罪専門の探偵と言うことになっています。もう一人先輩女優の美久月も謎の美女なので、正直謎の人物は一人でいいかなと思います。しかも春井と言うこれもまた謎な古美術研究家も出てきて、みんな謎な登場人物って言う設定なのかもしれない。
事件に創生の箱と言う奇跡の起こる木箱が使われるのですが、美久月が少女時代に箱と一緒に買われていたことの方がよっぽど謎だ。他の作品を読んだらわかるのかな?ディも京都府警と協力して事件を解決している描写がありますが、その話もあるのでしょうか。
感想としては内容のわりにあっさりしている印象です。文体のせいかもしれない。