表参道十年 ヴィーナスシティ

図書館予約が上手く回らなくて家にあった本を二冊読みました。


表参道十年、小泉タエ。慶應義塾の学長小泉信三の娘で俳人の小泉タエさんのエッセイ。昭和46年からの十年間の話で、まだまだ表参道も田舎の風情です。子供時代の思い出も時々出てきて、戦前の知識階級の暮らしは優雅でいいなと思います。

ヴィーナスシティ、柾悟郎
近未来SF。仮想現実空間で起きた事件が現実にも影響してくる。
1992年発行ですが、電話回線がISDN表記なことを除けば今読んでも十分面白いです。コンピュータに接続する方法などは、よく考えられていて興味深い。体に3Dの全身スーツを身に付けるんですが、そこまでしなくても視覚聴覚嗅覚辺りを変えるだけで、その場にいる臨場感は味わえるんじゃないかと思いますが。仮想現実空間の造形は遊びすぎ? こんな風にはならないと思うなあ。せいぜい本人より可愛いアバター作るくらいじゃないですか?
黒幕もありがちでラストは呆気なく、拍子抜けでした。
日本が経済大国として君臨していて欧米から白人の労働者が押し寄せているんですが、現在ではそうもなりそうにないですね。彼らが感じる「日本教」なる考え方はああそうだなと納得する部分があります。宗教的法律的ではない、道義的な不文律が日本にはたくさんありますね。