過去よさらば わたしを離さないで

過去よさらば、ペンッティ・キルスティラ。フィンランドのミステリです。
ハンヒヴァーラ警部シリーズと云うのがあるらしいのですが、この他に日本で読めるものはない模様。
ハンヒヴァーラ警部の警察署の自室に訪ねてきた見知らぬ男がショットガンで自殺するところから始まる事件。すぐ直後に市内の仕立て屋の主人も殺害されていることがわかる。一見関連のない事件のようだが、ハンヒヴァーラにはこの二つの事件が密接に関わりあっていることがわかっていた。何故なら彼には心当たりがあったから。
と、云う話なのですが、フィンランド人の名前が読みにくいし覚えにくいので、最初はなかなか進みませんでした。
警部の人となりは魅力的で、面白いのでぜひ他の作品も読みたいです。


わたしを離さないで、カズオ・イシグロ。日本生まれのイギリス作家。
この本はあらすじを書かず、ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。エミリ先生やマリ・クロード(マダム)達が行った活動を子供たちに告白するシーンで涙が止まらなくなった。読み終えたあとは子供たちの境遇に悲しさが溢れていたのですが、のちのち考えると、彼らはもしかして満足しているのかもしれません。使命を果たし、人の命を救うと云う人生に。
でも実際にはお金でこういうことが行われているかもしれないんだよね。
とても面白かったです。