新選組風雲録 落日篇

広瀬仁紀。文春文庫。
長州征伐から伊東暗殺油小路までの話です。やはり馬丁の忠助の目線だからか土方さんは軽口も叩くし笑うしいい人に見えますね。山崎も活躍していて土方さんに重用されています。伊東は初めから浅慮に書かれているのでかなり気の毒な感じがしました。沖田と平助の別れがとっても泣けます・・・。
良順先生も相変わらずいい味出してますね、広瀬さんの話はいつも登場人物が素敵なのですが。土方さんは平助を伊東に付いていかないように説得できないかと沖田に云っ(てくれと忠助に頼んだ)たり、良順先生にもなんとか助けて欲しいと泣きついたり、油小路は永倉と原田に平助を助けるように云ったり、とにかく全く鬼には思えません。結局平助は平隊士の三浦に斬られるのですが、永倉さんが呆然としていると土方さんが走ってきて三浦を斬ります。ここが格好いいんですよね・・・。でもいい人すぎて何か違和感もあります。
この辺になると政治的な話もかなり多く入ってくるのでちょっとややこしいですね。お多加は岩倉具視に利用されて、坂本竜馬暗殺の手伝いを知らずにさせられた善八を殺されてしまい、姿を隠してしまいます。この後出てくることがあるのかな? 竜馬を暗殺したのは岩倉と大久保で薩摩の謀殺説を広瀬さんはとっているんですね。