土方歳三(増補版)

大内美予子。新人物往来社。
流山から箱館までの土方さんの一人称の小説です。珍しく自分語りなので土方さんの為人については詳しく語られていません。あらかじめ土方さんがどういう人間か予備知識がないと凄く淡々とした人に見えるかもしれないですね。宇都宮攻めで斬られる従卒が土方さんの昔馴染みの三次と云う男になっているのと、何故か市村鉄之助がいないこと、おことさんが撃たれた土方さんの世話をしに仙台まで来ていること、の3つが明らかに創作ですが全体的に読み易いです。良順先生がいい味出してます。