散華 土方歳三

萩尾農。新人物往来社。
土方さんの子供の頃のエピソードが効果的に挿入されていて凄く可愛いです。本筋は斎藤と総司に守られるお姫様な土方さんなんですが。と云うかこの二人が勝手に「守ってます」と思っているんですけど。土方さんが弱いわけではありませんね。二人でお互いにないものねだりをして嫉妬し合っているのがいいな〜と・・・。特に斎藤はこの話が一番私は好きです(^^;)。とにかく土方さんはモテモテなんですが(こう書くと軽薄で申し訳ない)総司には最後に「好きでした」と告白されるし勝には「故郷にあった頃に見つけて拾っていれば仕込めたのに残念なことをした」(何を!?と邪まに想像してはいけません(笑)才能のお話)と思われるし宇都宮での銃創から破傷風になった時には「たのむから」と斎藤に抱きしめられるし(総司が向えに来たので渡したくなかったらしい)重傷で五稜郭で寝ている伊庭には「きれいだなァ土方さん」と云われるし、愛されまくりの副長です。斎藤は土方さんに無理難題を押し付けられる時だけ「一さん」と呼びかけられるんですが、それがわかっててもそう云われると云うこと聞いちゃいます。甘いですね(^^;)。斎藤は箱館まで来てしまうんですが最後は鉄の役割を押し付けられ、「斎藤の中で生きることにした」と殺し文句を云われてやはり云うことを聞いてしまいます。この本は本当に私には天国のような話なんですよね、欲しいなあ・・・。どうして絶版なんだろ(>_<)。