モロッコ水晶の謎 乱鴉の島 妃は船を沈める

有栖川有栖
モロッコ水晶の謎。中編が3つに掌編が1つ。最初の「助教授の身代金」は火村のことかと思いましたが、有栖川さんもあざとかったかと書いてますね。
掌編「推理合戦」は面白かったです。朝井さんのポジションが一番いいな〜。
「モロッコ水晶の謎」は話は面白かったけどタイトルが全然関係ないと思います。モロッコらしい何かがあると期待したので残念でした。

乱鴉の島。
長編で孤島もの。謎めいた島に謎めいた人達の謎の集まり。作家アリスシリーズはわりと日常の事件が多いので、読みごたえありました。モロッコ先に読み始めたのに、借りてきた乱鴉が面白そうだったので読んでしまったくらい(^_^;)。
冒頭にアリスが回想する乱歩の「パノラマ島奇譚」は私も大好きです。子供の頃憧れたな…今でも存在するなら行ってみたい。
憎んでいる相手が偶然に現れるって云うのは無理矢理かと思いますが、ミステリにそんなこと云ってもしょうがないか(^_^;)。海老原が烏の剥製を書斎に置いていた訳は良く分からなかったな。ポーの大鴉に関連してるのでしょうか。

妃は船を沈める。
ジェイコブズの「猿の手」は怖いですよ…。でも作中の火村、有栖川さんの考え方だと怖くないな(^_^;)。
話は別々に書いたものが合わせて長編になった(意訳)と云う点で、最初の話「猿の左手」の三松妃沙子があとの話「残酷な揺り篭」では被害者か犯人なんだろうと想像していました。
鮫山警部補が結構好きなので読むなら府警の話がいいな。事件は大阪でお願いします。←バランスとってると思うので。

次は火村英生に捧げる犯罪を読みます。