火村英生に捧げる犯罪

有栖川有栖
掌編から中編まで8つ。
まず表題の「火村英生に捧げる犯罪」ですが、正直云って拍子抜けです。有栖川さんの話でガッカリしたのは初めてでした。評判が良くないみたいなペルシャ猫もそんなに嫌いじゃなかったんですが…。タイトルで期待したのがいけなかったので、もうちょっと違うタイトルにして欲しかったです。火村に捧げるって云われるともっと深刻な内容かと思うじゃないですか。
他は面白かったです。
「あるいは四風荘殺人事件」の家は思いがけないアンコールの舞台に似てると思いましたが。あれは庭ごと回転するわけじゃないけど、円形の庭を囲んで東西南北にあずまやがあって中心の建物が回転しているのが似てる?

これが最新刊なので作家アリスシリーズの感想を。あの、火村のトラウマの話は…? 最近さっぱり出て来ませんね〜。ネクタイをきちんと締めないのは首を絞められたか絞めたかの過去があるとか?と考えていたんですが。子供(少なくとも高校まで)の頃の強い殺意となると相手は肉親なのではとか。まあ探偵の過去話がミステリ本筋より主になる必要もないですけど(篠田真由美さんの建築探偵はどう決着するか楽しみにしてます)。

大阪北西部〜阪神間には土地鑑があるので、読んでいて想像できて楽しいです。でも大阪の南部や京都はよくわからない…アリスが住んでいる夕陽ヶ丘も地下鉄にそんな駅があったなくらいしか(^_^;)。
英都大学は今出川だし相国寺だしモデルは同志社(当たり前か)ですね。京都は遠足か観光しか行ったことないから一番わからないな〜。
なので兵庫県の事件が面白かったですが、大阪府警のメンバーが好きだから、森下スピンオフみたいな話がまた読みたいです。できれば鮫山警部補で(^_^;)。

京都府警の柳井さんの娘さんが英都入るみたいですが、登場してくることはあるのかな? 妃は〜で初めて女性刑事高柳さんが出てきましたが、あまりにも女率が低いからですか(苦笑)? 別にいらないぞ(^_^;)。

学生アリスの方が本格ミステリっぽいと評判なので、読んでみようかと思ってます。調べたら4作しかないんだ。と云うことは作家アリスより学生アリスの方が多作なの!?


次はこれもあまり評判のよくない(^_^;)倉知淳のまほろ市の殺人春を読みます。