綺羅の柩 Ave Maria

綺羅の柩。建築探偵桜井京介の事件簿9。感想はネタバレです。
前半は軽井沢で後半はタイ〜マレーシア(バンコクとカメロン・ハイランド)ですが、前半部分がなかなか話が進まず退屈だったんですが、後半はさらに退屈でした…。シリーズ読んできて一番つまらないかも。京介が秘密主義なのはいつもなんですが、トーマス失踪についてどうやって調べたのかがあまりにも語られなすぎと思います。ネットと電話って本人は云ってたけど、誰に電話したんだよ〜。
私もいい加減桜井京介シリーズにはミステリーを期待しなかったら良いものを(^_^;)。
蒼が16歳の頃みたいに子供っぽいなと思ったのですが、それは勘違いじゃなかったようです。


Ave Mariaは番外編で蒼の話です。薬師寺家事件の時効迫る時に蒼に謎の手紙が…これは面白かったです。
建築探偵シリーズが今ひとつなのは京介が何考えてるか分からないからかな?
蒼が自立に向かって成長していく物語はまあミステリーとは言えないけど、読んでいて面白いですね。翳も良い友達で京介も安心だろう。いつか自分が離れて行っても蒼が一人にならないで済む(神代教授も深春もいるけど)と。蒼に頼られないと寂しそうな京介はちょっと可愛いです。建築探偵本編では京介が可愛いと思うことはないですが。
蒼はこの先心配ないとしても、深春が家族と上手くいってないのが不思議ですね。京介(と蒼)がいなかったら一人だけ就職も結婚もしてなくて世間と隔絶してる孤独を感じそうなもんだけど。大学で京介と出会う前の深春はそんな感じでしたね。神代さんも京介(と蒼)がいなかったら人並みに結婚して子供の一人もいそうなんだけど。二人とも京介がいることで寂しくない(孤独感を感じない)のが駄目なんじゃないか(苦笑)?と思います。
いずれは京介はどこかへいなくなるんだろうなと思いますが、蒼がいることで思い止まれるといいな。この話で取り合えず蒼は一段落だと思うので、後は京介の秘密ですね。


そういや私は東京の地理に明るくないので文京区西片とか向丘、台東区谷中とかの彼等が住んでいる住所を地図で見ながら想像しているわけですが、谷中って町お寺しかないな(^_^;)。実際行ったらどうなんでしょうね〜。


次は失楽の街を読みます。