演じられた白い夜 さよならの代わりに 陰陽宮1

演じられた白い夜、近藤史恵
クローズドサークルもの。演劇の練習の合宿のために集まった俳優たちの話なのですが、前に読んだ「凍える島」のストーリーがその台本になっていると云う間違った(^_^;)情報を元に選んでみました。結果、似ているけど違う話でした。凍える島のラストにはあんまり納得行かなかったですが、これもまた・・・。まあそうかなー、近藤さんの書く主人公ってどこか冷めてて、親しい人間が事件に巻き込まれてもあんまり変わらないんですよね。ストーリーテラーが動揺しちゃったら話が進まないって云うのもあると思うけど。稽古していた作品をいつか上演したら出演してくれますかって云われてOKするかな? 思い出して嫌だと思うんですけどね。

さよならの代わりに、貫井徳郎
タイムトラベラーものなので、ミステリと思って読んだら肩すかしを食らう。なんせタイムトラベルに訳がないしそれで事件解決もしないのです。何のためのタイムトラベル。本当に謎。事件自体もそんなに難しいものじゃないし・・・。謎の美少女と青年の恋の物語だと思って読むとまあまあ面白いです。タイムトラベルの順番がけっこう混乱した。理解するとなるほど、と思いますが。でもなあ、もうちょっと祐里の能力の理由が欲しかったかなあ。事件が解決しないのはこれがSFとして書かれたものじゃないからでしょうね。
ここからねたバレ。祐里と和希はこれから会えるのかと云う問題ですが、会ってしまったら今の関係と違ってくるのでたぶん会えないんだろうなあ。上手く説明できないのですが、タイムパラドックスものの面倒なところですね。2年後に祐里が死ぬことがわかっていて、もしそれを彼女に伝えることができたとしても、和希の時間軸の中の祐里はもう生き返らないわけで。考え始めると混乱するよー。

陰陽宮1安倍晴明、谷恒生。晴明の話かと思いきや、主役はどう見ても藤原道長です。若い頃の道長の話なのですが、何となく筆致が好きになれないのでこれの続きは読まないと思います・・・。