脳のなかの幽霊

V・S・ラマチャンドラン。
かなり前にテレビで脳の話をやっていた時に読みたいと思って、そのまま忘れていたのを思い出しました(^_^;)。
内容は興味深くて面白かったけど、文章がめちゃめちゃ読みにくいよ〜時間かかりました。ラマチャンドランの文が読みにくいのか、翻訳だからなのか両方なんだろうな。ふたたびの方も同時に借りてきたので今読み始めたんですが、こっちはうって変わって平易な書き方(^_^;)。1が不評だったとしか思えない。
註釈も多すぎて、しかも註のところを見ると本文に書いてもいいんじゃないのってくらい普通に文章が続いている・・・。読みにくいです。

脳の中には私とは違う意識しない私がいて、私が自己だと思っている数々の行動はその脳の中の人が行っている、つまり幽霊=ゾンビが。
幻肢痛や目の中の暗点に別の映像が見えるシャルル・ボネ・シンドローム、肉親や近しい人間が中身は違う別人だと云うカプグラの妄想、側頭葉とクオリアの話、どれも不思議で興味深いです。
特にシャルル・ボネは、私達は何かを見たあと脳の中でその映像を何分〜何時間に渡って繰り返し再生している、と云うのが面白い。視覚に異常があって現実のものが見えていない部分があると、その暗点に幻覚が見えるというのです。これは本人にしか見えないんだけど、そこでエノさんですよ(苦笑)。この無意識の再生はちゃんと目が見えている人には感じられないのですが(現実の映像の方がニューロンを刺激しているから。目を閉じても視覚情報がなくなるわけではないので、視力が正常なら幻覚を見ることはない)、彼の場合無意識の再生が見えちゃってる、と考えることはできますね。本人が思い出していなくても、脳が再生している映像か・・・面白いです。

人格は前頭葉ではなくて側頭葉の方により重きがあると云うのも、面白いです。側頭葉は磁気を受けると勝手に信号を出すって云う話をテレビで見たことがありますが、人間的な感情の殆どは側頭葉が行っているみたいですね。
前頭葉に障害があると性格が変化することはあっても、側頭葉の障害のようにおかしな行動や言動をすることはないようです。

まだまだ謎の深まる脳の話。