鉄鼠の檻

読みました。長かったです〜。図書館の文庫が今にも破壊しそうで(^_^;)。途中1頁抜けてたんですが内容には問題ないのでよしとします。

世間ではわりと評判が良い鉄鼠ですが、面白かったけど私はうーんあまり盛り上がりませんでしたね。禅より妖怪の方が好きだから(^_^;)。
禅の話は興味深いしちょこっとやってみたいけど全く理解できないです。
でも榎さんは一番悟りに近い(と云うか既にその境地に生きてるような気も…)人だと思いました。
いつもの会話も公案(いわゆる禅問答でいいのかな)だもんね(苦笑)。普通の人間には榎さんの話は理解できないから。菅野が云った公案「釈迦も弥勒も彼の下僕に過ぎない―さあ云ってみろ―彼とは誰か―」の答えが「ぼくだ」ですからね…。まあそうですね榎さんは自称神だから(^_^;)。

臨済宗の漸悟(修行を積んで徐々に悟る)と曹洞宗の頓悟(いきなり悟る)ですが、私は京極と榎さんの比喩みたいだと思ったのですが。
憑き物をその人の周りを囲う壁だとして、京極は云葉で理詰めに段階を踏んで自分から囲いから出てくるように促してやる、榎さんはいきなり壁を破壊する、どっちもその人の周りに壁がなくなってることには変わりないかと…。

榎さんは憑き物落とししてるつもりはないでしょうが、菅野や祐賢は榎さんが落としたようなもんですよね。
禅僧になったら歴史に残る名公案をいっぱい編み出す高僧になりそう。面倒くさくて禅はやらないと思いますが(^_^;)。と云うか産まれながらにして悟りの境地だから修行必要ないな〜。

益田がまともに刑事やっててやっぱり中々優秀な警官だったんですね。榎さんに会ってしまったのが運の尽きだったか(苦笑)。でも話の中ではそれほど感銘を受けた印象もないですが。
今川さんが好きなので楽しかったです。あと久遠寺さんが「わしの名前を間違っていいのは一人だけじゃ」って榎さん特別扱いしてるのがおかしい。榎さんは出番は多くなかったけど相変わらずキテレツで格好よくて素敵でした。
関口は榎さんに担がれて山降りたのか…力あるな。体弱いイメージ(登場人物の中では風邪ひいたり熱だして寝込んでたりするのは榎さんだけだから)なんですけど。怪力ですが。

同時期に絡新婦が起きているので木場さんが全く出て来ないのが少々淋しかったです。今川さんはすぐにあっちにも呼ばれるんだ…榎さんもだけど大変ですね。

次は魍魎の匣を読みます(^_^)。