ア・ソング・フォー・ユー

柴田よしき著、私立探偵花咲慎一郎シリーズの4作目です。2007年の9月に出たのですが、図書館で借りようとしていたら予約が多くてこんな時期に…。

いつも通りとても面白かったです(^_^)。前作までに比べたら多少花ちゃんの命張り度は低くなっているかな? 山内が絡んだ依頼が少なかったのもありますね。
短い話が4つ入っているのですが、1話目以外は連作でした。「ブルーライト・ヨコハマ」は良い話だったな〜。憎い人を呪うのではなくて、相手が幸せになった分その倍自分が幸せになる、という幸せの倍返しが良いです。前向きな話花ちゃんの中では珍しいし。
二話目「アカシアの雨」で城島と二人で山内の噂話をしてますが、こういうのが好き(^_^;)。本人が出て来たらそりゃ嬉しいけど、無責任に噂されてる山内もいいな〜。
環さんは山内が花ちゃんを気に入っていると云いつつ自分が好きなんじゃないかと思います。他の人には山内の愚痴を云えないからかもしれないけど(^_^;)。

3話までは文句なく面白かったんですが、4話はなんか変ですよね?
小料理屋の紘子さんの死んだ弟がいつのまにか息子に変わってるし、焼き鳥屋さんで紘子の過去を聞いてる時交通事故の話でなんであんなに花ちゃんが動揺したのか謎です。そこ伏線なかったような。
元木を探していた理由も、花筏さんとこで聞いた時には武藤組に渡さないためみたいな感じだったのに、実際捕まえた時は山内のための鉄砲玉になれって云ってるし。その話いつしたのさ…?

元木が新宿で何を片付けたのかは今後絡んでくるのかとは思いますが、紘子の過去話は明らかにミスじゃないかと。直した方がいいんじゃないかな…?

エピローグはなんとついに麻生さんが花咲シリーズに!? この先出て来たらいいのにな〜。山内と絡んで花ちゃんのイメージを変えてくれることをちょっと期待してます。

麻生さんは花ちゃんと違って保育園の副業があるわけでも借金があるわけでもないし、家族もいないしそんなに貧乏ってわけじゃないと思うのですが、でもくたびれてるんだね(^_^;)。

もうちょっと山内が出てくると良いな、花ちゃんは嫌でしょうが。


この花咲シリーズは面白いのでぜひ読んで下さい。春日組若頭のインテリヤクザ山内練が出てくる話は「RIKOシリーズ」と「聖なる黒夜」ですが、リコはあんまり万人向けじゃないので1、2をあらすじで読んで3だけ読むと楽です。山内がいい奴に思えてしまうかも(^_^;)。
話としても3が一番面白いです。